2008 Fiscal Year Annual Research Report
窒素原子の不斉化学研究・構築法開発と合成反応への展開
Project/Area Number |
19750029
|
Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
田山 英治 Niigata University, 自然科学系, 准教授 (90372474)
|
Keywords | 四級アンモニウム塩 / 四級窒素 / 光学分割 / エナンチオ選択的 / 不斉合成 / 不斉転写 / 転位反応 / α-アミノ酸 |
Research Abstract |
1. 窒素原子上に不斉中心を有するアミノ酸由来四級アンモニウム塩の光学分割 窒素上の四つの置換基がそれぞれ異なり、かつアミノ酸由来の四級アンモニウム塩をジクロロメタンに溶かし、続いて0.5等量の光学活性ビナフトールを作用させたところ、エナンチオ選択的に1 : 1の複合体を形成し、結晶として析出することがわかった。この複合体形成を利用して四級アンモニウム塩の光学分割を行い、Stevens及びSommelet-Hauser転位に適用可能となる窒素上にキラリティーを有する四級アンモニウム塩を、高いエナンチオ選択性で得ることに成功した。 2. N-キラル四級アンモニウム塩のStevens及びSommelet-Hauser転位による窒素-炭素間不斉転写 1で得られた四級アンモニウム塩をカリウムブトキシド等の塩基で処理したところ、StevensもしくはSommelet-Hauser転位が進行し、窒素原子上のキラリティーが炭素原子上に不斉転写され、相当するα-ベンジル、α-アリールアミノ酸誘導体がエナンチオ選択的に得られることがわかった。 3. Sommelet-Hauser転位の一般性と適用範囲の研究 アミノ酸由来四級アンモニウム塩のSommelet-Hauser転位は、これまでの成功例が極めて少なく、未だ反応の一般性と適用範囲について不明な点も多い。そこで2においで不斉転写の研究を開始する前に、同反応の一般性や適用範囲を明らかにすることにした。様々な基質を用いてSommelet-Hauser転位を試み、その際の収率や選択性について調査することにより、如何なる基質や反応条件がSommelet-Hauser転位に有利かについて知見を得た。
|
Research Products
(1 results)