2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19750031
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
倉橋 拓也 Kyoto University, 工学研究科, 助教 (50432365)
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Keywords | 有機金属 / ホウ素 / 亜鉛 / 遷移金属 / 多置換亜鉛 |
Research Abstract |
現在の有機合成化学は有機金属化合物なくして成り立たない。炭素-金属結合の多様な反応性が有機合成に革新をもたらしているからである。同一炭素上に複数の金属を有する有機多金属反応剤は従来にない高度分子変換を可能にする事が期待できる。申請者はこれまでの知見を基にして、本研究では有機多金属反応剤の効率的な合成法の確立と、有機多金属反応剤を用いた高度分子変換反応の開発を目的として研究を行った。炭素-炭素二重結合を有するオレフィン類は、有機化学における最も基本的な化合物のひとつである。ところが、一置換および二置換オレフィンについては優れた合成法が数多く開発されているのに対して、三置換および四置換オレフィンの自由度の高い一般的合成法は限られている。多置換オレフィン類は有機化合物における基本骨格であり、その効率的かつ立体選択的合成法の確立は有機合成化学における大いなる挑戦であるとともに、天然物や機能性分子など膨大な潜在的標的化合物の提案を意味している。そこで、エチレン炭素にホウ素が四つ置換した有機四ホウ素置換反応剤を合成し遷移金属触媒反応等により効率的かつ立体選択的な四置換オレフィンの合成を検討した。さらに、遷移金属触媒反応による立体選択的な四置換オレフィンの合成を検討している過程で、ニッケル触媒によるアミド化合物を用いたアルキンのカルボアミノ化反応が進行する事を見いだした。
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