2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19750032
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
梅山 有和 Kyoto University, 工学研究科, 助教 (30378806)
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Keywords | カーボンナノチューブ / 化学修飾 / 電子構造 / ポルフィリン / 泳動電着 / 光電変換 / 共役系高分子 / エネルギー移動 |
Research Abstract |
単層カーボンナノチューブ(SWCNT)は1991年に発見されて以来、特異な力学的・光学的・電気化学的性質を示すことから、次世代材料として注目を集めている。本研究の平成19年度においては、SWCNTのさらなる高機能化を目指し、共有結合や非共有結合相互作用により、チューブ外壁にπ共役系分子を初めとした機能性分子を修飾する研究を行った。具体的内容を以下に示す。 (1)電子状態が保持された化学修飾SWCNT エノラートイオンの求核付加反応(ビンゲル反応)をSWCNTに適用したところ、高修飾率おいてもSWCNTの電子状態が保持されることを見出した。また、マイクロ波照射により反応時間の短縮および修飾率の制御が可能であった。 (2)化学修飾SWCNTの光電変換系への活用 ポルフィリンが共有結合により修飾されたSWCNTを、泳動電着法により薄膜化し、光電変換系を構築した。その結果、共有結合修飾によるSWCNTのバンドル化抑制が光電変換系の効率向上に有用であることを示した。 (3)新規共役系高分子による有機溶媒へのSWCNTの選択的分散 ポリ(p-フェニレンビニレン)(PPV)の基本骨格に1,1-ビニリデン構造の"欠陥"部位を導入した共役系共重合体(coPPV)を開発し、それが有機溶媒中で特定のSWCNTを高効率に孤立分散化することを見出した。さらに、近赤外蛍光測定により、巻き付いたcoPPVの励起状態からSWCNTへのエネルギー移動を確認し、共役系高分子がSWCNTの光捕集系として働くことが初めて示された。
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Research Products
(13 results)