2007 Fiscal Year Annual Research Report
平面パイ共役分子を用いた表面ナノ空間の形状制御と鋳型効果
Project/Area Number |
19750033
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
田原 一邦 Osaka University, 基礎工学研究科, 助教 (40432463)
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Keywords | 自己組織化 / 走査プローブ顕微鏡 / 有機化学 / 表面・界面物性 |
Research Abstract |
本申請課題では、デヒドロペンソ[12]アヌレン(DBA)誘導体が固液界面において形成する2次元分子ネットワークに含まれる2次元ナノ空間の形状を合成化学的に制御し、そのテンプレート効果について調査することを目的としている。具体的には、以下の3つの課題に取り組んでいる。課題1ではスペーサー分子を用いたDBAのハニカム構造の拡張に伴うナノ空間のサイズ制御を、課題2では分子ネットワークのナノ空間の共有結合による固定化について、課題3では分子ネットワークを鋳型とした多成分の機能性分子の同時配列制御をそれぞれ目標としている。 課題1では、申請書に記載のスペーサー分子である、ジアルキルベンゼン、ペリレンジイミド誘導体の合成を行い、DBAと混合した際のネットワークについて走査型トンネル顕微鏡により調査を行った。期待された2成分よりなる拡張されたハニカム構造は観察されなかったため、現在は新たなスペーサー分子の合成を行っている。課題2では、共有結合で結ばれた分子ネットワークの構築するための構成要素となるブタジインユニットをアルキル側鎖に含むDBA誘導体を合成した。そして、この分子が固液界面においてハニカム型の分子ネットワークを形成することを見いだした(学会発表1)。今後、光照射や化学反応によりブタジイン間の1,4-架橋反応について検討し、共有結合で結ばれたネットワークを構築し、ナノ空間を固定化を目指す。課題3では、2成分の同時配列制御可能とする分子ネットワークの構築を目的として、菱形ピリジノファンを設計・合成した。また、この分子が望みの多孔性のカゴメネットワークを形成することが分かった(学会発表2)。 研究の過程で、申請課題を遂行する上で必須となる、重要な成果を学術誌に発表した(雑誌論文1)。この論文では、DBAの形成するネットワークがその濃度によって、多孔性のネットワークに変化することを明らかにした。
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Research Products
(3 results)