2008 Fiscal Year Annual Research Report
平面パイ共役分子を用いた表面ナノ空間の形状制御と鋳型効果
Project/Area Number |
19750033
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
田原 一邦 Osaka University, 基礎工学研究科, 助教 (40432463)
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Keywords | 自己組織化 / 走査型プローブ顕微鏡 / 有機化学 / 表面・界面物性 / 固液界面 |
Research Abstract |
本申請課題では、デヒドロベンゾ[12]アヌレン(DBA)誘導体が固液界面において形成する2次元分子ネットワークに含まれる2次元ナノ空間の形状を合成化学的に設計された分子を用いて制御し、その異分子に対するテンプレートとしての機能を評価することを目的としている。具体的には、以下の三つの課題に取り組んでいる。課題1ではスペーサー分子を用いたDBAのハニカム構造の拡張に伴うナノ空間のサイズ制御を、課題2では分子ネットワークのナノ空間の共有結合による固定化について、課題3では分子ネット, ワークを鋳型とした多成分の機能性分子の同時配列制御をそれぞれ目標としている。 課題1では、申請書に記載のスペーサー分子の合成を19年度に行い、DBAと混合した際のネットワークについて走査型トンネル顕微鏡により調査を行ったが、期待された2成分よりなる拡張されたハニカム構造は観察されなかった。そこで20年度では、トラン骨格に二本のデシル基が置換された新たなスペーサー分子を合成し、DBAと混合し検討したものの、これについてもそれぞれの成分が混ざり合わなかった。そこで、現在、新たなDBA誘導体の合成を行っている(学会発表1)。課題2では、共有結合で結ばれた分子ネットワークの構築するための構成要素となるブタジインユニットをアルキル側鎖に含むDBA誘導体を合成した。そして、この分子が固液界面においてハニカム構造を形成することを明らかにした。現在、光照射や化学反応によるブタジイン間の架橋反応について検討している(学会発表2)。課題3では、19年度までに、菱形ピリジノファンを設計・合成し、この分子が望みの多孔性のカゴメ構造を形成することを示した。20年度では、得られたカゴメ構造をテンプレートとした異分子の配列制御について検討し、望みどおりの結果を得た(学会発表3)。 なお、本研究と関連の深い成果を海外の学術誌に三編報告した。
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Research Products
(6 results)