2009 Fiscal Year Annual Research Report
平面パイ共役分子を用いた表面ナノ空間の形状制御と鋳型効果
Project/Area Number |
19750033
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
田原 一邦 Osaka University, 基礎工学研究科, 助教 (40432463)
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Keywords | 自己組織化 / 走査型プローブ顕微鏡 / 有機化学 / 表面・界面物性 / 固液界面 |
Research Abstract |
本申請課題では、デヒドロベンゾ[12]アヌレン(DBA)誘導体が固液界面において形成する2次元分子ネットワークに含まれる2次元ナノ空間(空孔)の形状を、合成化学的に設計された分子を用いて制御することを第一目的とし、さらに空孔を利用した異分子の共吸着について評価することを目的としている。具体的には、以下の三つの課題に取り組んだ。課題1ではDBAのハニカム構造ヘスペーサー分子の導入による空孔の拡張を利用した空孔サイズ制御を、課題2では分子ネットワークの空孔の共有結合による固定について、課題3では分子ネットワークを利用した多成分からなる機能性分子の同時配列制御をそれぞれ目標とした。 課題1では、申請書に記載したスペーサー分子の合成を前年度までに行い、DBAと混合した際のネットワークについて走査型トンネル顕微鏡により調査を行ったが、期待された2成分よりなる拡張されたハニカム構造は観察されなかった。しかしながら興味深いことに、二つの異なる成分が乱雑に混ざり合った複雑な多孔性ネットワークが形成されることが分かった。課題2では、合成したブタジインユニットをアルキル側鎖に含むDBA誘導体の単層膜に対して、パルス電圧や光照射、活性試薬の添加による化学反応を用いてブタジイン間の架橋反応について検討した。その結果、反応の進行は示唆される結果は得られたものの、その進行に伴いネットワーク構造が壊れることが分かった。この結果を分子設計に活かし、新規分子の合成を行う予定であり、今後につながる成果を得ることができた。課題3については、ほとんどを前年度までに終了している。目的通り、多成分からなる構造体の構築に成功した。 なお、本研究と関連の深い成果を海外の学術誌に本年一編報告した。
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