2008 Fiscal Year Annual Research Report
可視光増感部位を有する機能性触媒による光反応の開発
Project/Area Number |
19750042
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
高尾 昭子 Tokyo Institute of Technology, 資源化学研究所, 助教 (00345357)
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Keywords | 太陽光 / 光増感 / ルテニウム / パラジウム |
Research Abstract |
平成20年度は、主に次の二つの観点から研究を進めた。(1)可視光増感部位に電子供与性置換基・電子吸引性置換基を導入することによって、より可視光エネルギーを効果的に分子変換反応に利用する分子設計に関して調査した。置換基のハメット定数と、錯化後の物性との関連を精査し、さらに触媒活性への寄与を系統的に調査した。フリーのビピリジル配位子側に電子供与性基、架橋配位子側に電子吸引性基を配置し、かつ、励起三重項寿命が低下しないような分子設計をすることが触媒活性の向上につながることを明らかにした。(2)また、より広範な波長領域に吸収帯を持つ色素団を合成するために、紫外部に吸収を有する多環式芳香族と可視部に吸収を持つ[(bpy)_3Ru]^<2+>ユニットを組み合わせた「バイクロモフォア」を合成し、これに対して反応中心であるパラジウムユニットを組み込んだ錯体を合成した。この錯体を用いて触媒反応を試みたところ、可視光のみを照射するよりも全波長を照射することにより、さらなる触媒活性の向上を見出した。
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