2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19750051
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
山内 美穂 Kyushu University, 大学院・理学研究院, 助教 (10372749)
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Keywords | 合金ナノ粒子 / 水素吸蔵 / ナノ材料 / 液相合成 |
Research Abstract |
本申請研究では、水素と電子がカップルした特異な動的状態を創出するため、水素の新しい存在形態として直径数〜数十ナノメートルの水素吸蔵合金ナノ粒子の創製を行うことを目的とする。H19年度は、3d金属としてバルクとPdと固溶し易いCuを選択し、粒径の均-な合金ナノ粒子を作製と、その構造と水素吸蔵特性の評価を行った。 CuPdナノ粒子の合成は、硫酸銅(II)あるいは酢酸銅(II)と酢酸パラジウム(II)を金属原料とした。溶媒としてエタノールのみを用いた。金属のエタノール溶液に粒子凝集を防ぐ目的で水溶性ポリマーであるポリ[N-ビニル-2-ピロリドン]を単分子量で金属の10倍量加えた後、0.02Mのヒドラジン水溶液を滴下し還元することでCuPd合金ナノ粒子を作製した。さらに、いくつかの異なる金属比において合成を試みた。 硫酸銅と塩化パラジウムを金属原料とし、還元補助剤として水酸化ナトリウムを用いていたため、複製生物としてNa_2SO_4やNaC1が生成した。このような塩を出さないために、より還元されやすいと考えられる酢酸銅と酢酸パラジウムを出発原料として用いたところ、ヒドラジンを加えた反応後のコロイド溶液中には不溶物や沈殿物が確認されなかった。直径4.4nmのナノ粒子を出発原料として直径8.0nmのナノ粒子の合成に成功したことがわかった。また、それらのXRDパターンの解析により、得られた試料はCuPdナノ粒子であることが確認された。 得られたCuPdナノ粒子の水素吸蔵特性を調べたところ、通常、バルクのCuPdはCuが30 at%以上だと水素下物を生成しないが、ナノ粒子では、Cuが70 at%でも水素を吸蔵することが明らかとなった。
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