2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19750052
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
堀 顕子 Kitasato University, 理学部, 助教 (90433713)
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Keywords | 自己集合 / 金属錯体 / X線結晶構造解析 / 一次元金属ナノワイヤー / 銅 / コバルト / ニッケル / 白金 |
Research Abstract |
申請者は、四重極モーメントに基づく弱い静電的相互作用を物質構築の鍵ととらえ、フッ素を導入した金属錯体の合成研究から以下の三点の成果を得た。 (1) 非対称なジケトナト金属錯体の合成と構造 : フェニル基を置換したβ-ジケトナト錯体とペンタフルオロフェニル基を置換したβ-ジケトナト錯体は結晶内での分子配列が異なるだけでなく、金属の種類により全く違う錯体を形成する。とくに、ニッケルやコバルトではペンタフルオロフェニル基の影響で二核錯体が生成することを明らかにした(論文1)。そこで、同一分子内にフェニル基とペンタフルオロフェニル基を置換した非対称なβ-ジケトナト配位子とその金属錯体(Co^2+, Ni^2+, Cu^2+)を合成し、全ての構造を単結晶構造解析により決定した。 (2) フッ素化ポルフィリンの合成経路の確立 : パーフルオロフェニル基を導入したポルフィリンの合成を試みた。4カ所にパーフルオロフェニル基を導入することは極めて困難であったが、その合成実験の過程でポルフィリンの対角に2カ所パーフルオロフェニル基を導入することに成功した。得られたポルフィリンは溶解性も良く、置換基導入など合成学的にも展開可能であることから、次年度におけるポルフィリン合成と集積化に有益な知見を得た。 (3) 四種類のビピリジン白金錯体の結晶化 : フッ素置換した二種類のビピリジンとフッ素置換していない二種類のビピリジン(フェニル基およびペンタフルオロフェニル基を導入)の白金塩化物錯体を合成した。それぞれの錯体は淡黄色から赤褐色と異なる色を呈していたため、単結晶構造解析および元素分析から近接金属位置を含む分子配列を明らかにした。
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Research Products
(7 results)