2007 Fiscal Year Annual Research Report
超高速界面顕微振動分光法による生体反応の分子・速度論的解明
Project/Area Number |
19750054
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
野口 秀典 Hokkaido University, 大学院・理学研究院, 助教 (60374188)
|
Keywords | 生体分子 / 界面水 / 和周波発生分光法 / 超高速 |
Research Abstract |
生体分子は水環境の中にあり(人体のおよそ60%は水)、生命活動を支える多くの化学反応には水が積極的に関与している。例えば、タンパク質がその機能を発現するためには、タンパク質自身の構造変化と共に、その周囲の水の構造も大きく変化することが知られている。しかしながら、タンパク質の反応場である水分子がタンパク質の構造変化にどのような影響をおよぼしているのか、またどれくらいのタイムスケールでタンパク質が構造変化するのかといった点についてはいまだ不明な点が多く存在する。そこで本研究は、タンパク質等の生体分子が実際に生きて存在する水環境下での生体分子周辺の水の構造および水との間に働く相互作用(水素結合など)をリアルタイムで追跡することで、タンパク質の構造と機能発現におよぼす水の影響について速度・分子論的に解明することを目的としている。 本年度は複雑な高次構造を持つタンパク質を、その性質を壊すことなく固体表面に化学的に固定化する方法を確立した。具体的にはCaイオン受容性タンパクであるカルモジュリンをHis-Tag法により活性を保った状態で固体基板上に固定化することに成功した。また、カルモジュリン受容性ペプチドの一つであるマストパランとの結合・解離過程にともなうタンパクの構造変化を溶液中で振動分光学的にその場追跡可能とした。今後は、タンパク周囲の水の構造変化をSFG分光法により追跡を行う予定である。
|
Research Products
(1 results)