2008 Fiscal Year Final Research Report
Molecular and kinetic studies on bio-reactions by using ultrafast surface microscopic vibrational spectroscopy
Project/Area Number |
19750054
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Analytical chemistry
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
NOGUCHI Hidenori Hokkaido University, 大学院理学研究院, 助教授 (60374188)
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Project Period (FY) |
2007 – 2008
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Keywords | 界面水 / 生体分子 / 表面和周波分光 / 振動分光 |
Research Abstract |
本研究は、タンパク質等の生体分子が実際に生きて存在する水環境下での生体分子周辺の水の構造および水との間に働く相互作用(水素結合など)をリアルタイムで追跡することで、タンパク質の構造と機能発現におよぼす水の影響について速度・分子論的に解明することを目的としている。二次の非線形光学現象にもとづく和周波発生(SFG)分光法は、反転対称性の欠如をもつ界面(表面)のみの情報を選択的に得ることが可能な振動分光法であり、特に固体/液体および液体/液体界面の水のプローブには従来の分光法と異なりバルクの水の影響を考える必要がないため、SFG 分光法が適している。本研究では、カルシウム受容性タンパク質のひとつであるカルモジュリン(CaM)を固体基板上へ固定化させるほ法を確立し、カルシウムイオン存在下でのタンパクの構造変化に伴う周囲の水の構造およびCaM 自身の構造変化を界面振動分光法により評価した。CaM がカルシウムイオンと結合することでCaM 周囲に配向していた水分子の水素結合性が弱くなることを示唆する結果が得られた。これは、CaM の疎水性部位の露出により水分子の配向性が乱れたことに起因するものと考えている。同様な測定をマグネシウム存在下でも行ったが、マグネシウムイオンの添加による界面水の構造変化は観測されなかった。以上の結果から、今回観測された結果はカルシウムイオンとの結合によって引き起こされたCaM の構造変化によるものであることが明らかとなった。交付額
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Research Products
(13 results)