2007 Fiscal Year Annual Research Report
非可逆的標識を達成する高次機能性タンパク質計測用蛍光イメージング試薬の創製
Project/Area Number |
19750061
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
宗 伸明 Kyushu University, 大学院・工学研究院, 助教 (90336008)
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Keywords | タンパク質 / 蛍光イメージング試薬 / NTA-Ni 錯体 |
Research Abstract |
タンパク質は生命活動の根幹を成す生体分子であり、ポストゲノム時代を迎えた今日、その作用機序の詳細な理解に対する要望は非常に高まっている。蛍光標識によるタンパク質計測法は、生体内(in vivo)におけるタンパク質の動的な挙動をリアルタイムで解析できるという特筆すべき利点を有していることから、現在非常に注目を集めている。本研究では従来のタンパク質計測用蛍光イメージング試薬における課題を克服すべく、非可逆的な標識を達成する高機能性の新規タンパク質計測用蛍光イメージング試薬の創製を目指す。なお、タンパク質としては、組換えタンパク質の精製に汎用される His タグをアフィニティータグとして有するタンパク質を標的とし、これを非可逆的標識により精度よく蛍光イメージング可能な試薬を開発することを目的とした。本年度においては、標的タンパク質の His タグ部位を認識するための NTA-Ni 錯体部位、非可逆的な標識を達成するための光感受性部位、及び蛍光シグナルを発生するための蛍光基部位を含む新規な蛍光イメージング試薬の合成に取り組んだ。まず、ベンゼントリカルボニルクロライドにアミノ基を有する光感受性部位を一ユニット結合させ、残りの二つのカルボニルクロライド基をカルボン酸メチル基に変換した。このカルボン酸メチル基の一つをカルボン酸基に変換した後、リンカーを付加した長波長励起可能な蛍光色素と結合した。更に、得られた化合物中のカルボン酸メチル基をカルボン酸基に変換した後、アミノ基を有する NTA 誘導体と結合し、最後にNi 錯化することで、目的とした蛍光イメージング試薬の合成に成功することができた。
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