2008 Fiscal Year Annual Research Report
非可逆的標識を達成する高次機能性タンパク質計測用蛍光イメージング試薬の創製
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19750061
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
宗 伸明 Kyushu University, 大学院・工学研究院, 助教 (90336008)
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Keywords | タンパク質 / 蛍光イメージング試薬 / NTA-Ni錯体 |
Research Abstract |
近年、生命活動の根幹を担う生体分子であるタンパク質の作用機序に大きな注目が集まっている。蛍光標識に基づくタンパク質計測法は、生体内におけるタンパク質の動的な挙動を解析する上で非常に有力な手法である。そこで本研究では、従来のタンパク質計測用蛍光イメージング試薬における問題点(すなわちペプチドタグからのイメージング試薬の解離やペプチドタグに対する低選択性)を克服することを目的に、非可逆的な標識を達成する高機能性の新規タンパク質計測用蛍光イメージング試薬の開発を試みた。今年度は、前年度までに合成した新規タンパク質計測用蛍光イメージング試薬の性能について検討を行った。まず、新規イメージング試薬の光感受性部位に紫外線を照射したところ、光照射に伴う330nm付近の吸光度の減少が認められ、その光架橋能を確認できた。一方、新規イメージング試薬に対し、トリプトファンを付加したHis-tagを添加するとイメージング試薬由来の蛍光強度が減少したが、これにEDTAを添加すると再びその蛍光強度が増大した。これより、本イメージング試薬のNTA-Ni錯体部位に基づくHis-tagへの配位能が示唆された。そこで、His-tagを付加したユビキチンに本イメージング試薬を適用し、紫外光照射、限外濾過した後、蛍光測定を行った。その結果、濾物であるユビキチン成分の蛍光強度は、上述したイメージング試薬適用後の紫外光照射操作によって大きく増大することが確認でき、紫外光照射に伴うイメージング試薬-タグ間における非可逆的な光架橋の形成が示唆された。その他、新規イメージング試薬における配位金属としては従来のニッケル(II)だけでなく亜鉛(II)等も利用可能であることが確認できた。
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Research Products
(4 results)