2007 Fiscal Year Annual Research Report
特異な酵素反応系を利用した新規細胞内ATPモニターリングシステムの開発
Project/Area Number |
19750063
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
末田 慎二 Kyushu Institute of Technology, 情報工学部, 准教授 (00325581)
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Keywords | ATP濃度 / ビオチン固定化酵素 / 蛍光タンパク / FRET |
Research Abstract |
本研究では、特異なビオチン化反応を利用したATP検出システムの構築を目的としてるが、これにはまずBPL酵素並びにBCCPタンパクに関して、蛍光タンパクとの融合体を作成する必要がある。そこで今年度は、まず大腸菌系での各融合タンパクの発現系の構築について検討を行った。まずBPLに関して蛍光タンパクとの融合体の構築について検討を行ったところ、BPLのC末端には蛍光タンパクは導入できないが、N末端には導入できることがわかった。さらにBPLと蛍光タンパク間を繋ぐリンカーの長さが融合タンパクの発現に大きく影響することがわかった。また蛍光タンパクと融合させたBPLが酵素活性を維持しているかどうかを確認するため、BCCPに対するビオチンの付加活性を確認した。その結果、反応生成物の質量分析により、酵素活性を維持していることがわかった。さらに、ビオチン化反応に伴うBCCPとの複合体形成能も維持していることが確認できた。また、このBPLに関する検討と平行して、BCCPと蛍光タンパクとの融合体の構築についても検討を行った。BCCPに関しては、全長が167残基からなるタンパク質であるが、ビオチン化に必要なのはC末端側の70残基程度であることがわかっている。そこで、BCCPのC末端側ドメインと蛍光タンパクの融合体を構築した。このBCCPの融合タンパクが、BPLに対する基質として機能し得るかどうかの確認を行ったところ、実際にBPLによってビオチンの付加が起こり、基質活性を維持していることが確認できた。さらに、BPLとBCCPの融合タンパク同士を使ってビオチン化反応を行ったところ、反応に伴い両タンパクが会合することが確認できた。
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