2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19750066
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Research Institution | Kanazawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
児玉谷 仁 Kanazawa Institute of Technology, 生活環境研究所, 特別研究員 (30434468)
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Keywords | ニトロソアミン / ルミノール / 化学発光 / 紫外線照射 / ペルオキシナイトライト / 窒素酸化物含有化合物 |
Research Abstract |
強い発がん性を持つことで知られるニトロソアミン類の新規高感度検出法について検討した.紫外線照射されたニトロソアミン類がルミノールと化学発光反応を起こすことを見出し,検出感度を向上させるため,その発光反応機構の解明を進めた.結果として,(1)紫外線照射されたニトロソアミン類がラジカル的に分解し一酸化窒素(NO)を発生(2)同時に水溶液への紫外線照射によりスーパーオキシドアニオンラジカルが発生(3)NOとスーパーオキシドアニオンラジカルの反応によりペルオキシナイトライトが生成(4)ペルオキシナイトライトとルミノールの反応により発光反応が起こると解明された.各々の反応過程を確認するため,(1)ではNO発生剤を利用し,紫外線照射した水溶液とこの試薬を混合後,ルミノールと反応させることで発光反応を起こすことを確認し,この結果からNOが反応に関与していることを証明した.(2)ではスーパーオキシドアニオンラジカルに特異的な発光検出試薬としてしられるCLAを用いることで,水溶液への紫外線照射からスーパーオキシドアニオンラジカルが発生していることを確認した.(3)では,ニトロソアミンに一定時間紫外線を照射した後,ペルオキシナイトライトに特異的な吸収波長である302nmの吸光度を追跡することでペルオキシナイトライトの生成と消滅を追跡した.(4)ではペルオキシナイトライトとルミノールの反応は古くから知られており,様々なエンハンサー物質が報告されていることから,エンハンサー物質を添加して発光強度の測定を行った.結果,発光強度の増大が確認された.以上の結果から,前述の反応機構を決定した. 本年度の研究結果から検出感度を大幅(100倍程度)に向上することができ,HPLCと本検出法を組み合わせることで数pptレベルのニトロソアミンの測定が可能になった.今後,更なる高感度化と環境水中のニトロソアミンの分析を進めていく予定である.
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