2007 Fiscal Year Annual Research Report
電気化学活性団修飾核酸プローブに基づくラベル化フリー遺伝子検出法
Project/Area Number |
19750068
|
Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
青木 寛 National Institute of Advanced Industrial Science and Technology, 環境管理技術研究部門, 研究員 (00392580)
|
Keywords | 電気化学測定 / センサ / 遺伝子 / DNA / ラベル化フリー |
Research Abstract |
昨年度は,フェロセン修飾核酸プローブに基づく遺伝子検出法の開発を行った。遺伝子検出法の開発では,ペプチド核酸(PNA)をターゲットDNA認識部位とし,一端にフェロセン他端にシステインを有するプローブ(Fc-PNA)を合成した。鏡面研磨した金電極表面上にFc-PNAを固定し緩衝液中で電気化学測定した結果,フェロセンに由来する酸化還元波が観測された。一方,ターゲットDNAとハイブリッド形成すると,観測される波は減少した。これは詳細な検討から,ハイブリッド形成によりFc-PNAの柔軟性が減少し剛直化(コンフォメーション変化)したことで,フェロセンの電極表面への接近が阻害されたためであると結論付けられた。そこで,フェロセンへの電子供与体である[Fe(CN)_6]^4-を溶液に加え,電気化学信号の増幅が図れるかどうか検討した。その結果,ハイブリッド形成の有無での信号変化が約2倍増幅することに成功した。これは,フェロセンが電極表面に接近している時には,電子移動後のフェロセンが[Fe(CN)_6]^4-により再生されるため,フェロセンが[Fe(CN)_6]^4-の電子移動反応のメディエータとして働き,観測される電流値は増幅されるが,フェロゼンが表面から離れると,もはやメディエータとして働かなくなるためであると考えられる。この信量増幅には,DNAとの結合により表面が負電荷を得た結果,[Fe(CN)_6]^4-の表面近傍濃度が実質減少した効果も含まれると考えられる。また,ミスマッチDNAに対してはほとんど応答が観測されなかったことから,配列特異性を有することも確認された。この手法は,ラベル化することなく(ラベル化フリー)配列特異的にターゲットDNAを検出することができるため,簡便な遺伝子検出法の基盤技術として重要な成果である。
|
Research Products
(4 results)