2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19750074
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
松田 学則 Kyoto University, 工学研究科, 助教 (80359778)
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Keywords | シロール / シラフルオレン / ルテニウム / ヒドロシリル化 / 閉環メタセシス / ジエン / エンイン / ジイン |
Research Abstract |
本年度は2つのシロール骨格を構築する反応として、ルテニウム触媒二重trans-ヒドロシリル化による2,5-ジアリールシロールの合成、および閉環メタセシスによるシロール合成を開発した。 1.カチオン性ルテニウム触媒([Cp*Ru(MeCN)3]PF6)存在下、1,2-ジクロロエタン中室温下において1,4-ジフェニルー1,3-ブタジインにジフェニルシランを反応させたところ、二重trans-ヒドロシリル化反応が進行し、1,1,2,5-テトラフェニルシロールを51%収率で与えた。一方、ヒドロシリル化剤として9-シラフルオレンを用いたところ、対応するスピロ型シロールが80%収率で得られた。非対称1,4-ジアリール-1,3-ブタジインやヘテロアリール置換1,3-ジインなども本反応に用いることができ、それぞれ対応するシロールを与えた。また、シロールをモノマーとする鈴木-宮浦カップリングからはシロール部位を主鎖に持つ共重合体が得られた。 2.ジメチル(1-フェニルビニル)(2-ビニルフェニル)シランをGrubbs第1世代触媒存在下、トルエン中80℃で加熱したところ、閉環メタセシスが進行し、2-フェニル-1-シラインデンが17%収率で与えた。一方、Grubbs第2世代触媒を用いたところ、反応効率が劇的に向上し、定量的に閉環メタセシス生成物が得られた。また、本閉環メタセシス反応はSchrock触媒によっても進行した。ケイ素架橋ジエンの閉環メタセシスによるシロール合成は様々な置換基および官能基を持つ基質に適用でき、従来法では合成が困難であった多置換シロールも得ることができた。得られた1-シラインデンの中には極めて高い蛍光量子収率を持つもの(2-フェニル:83%,2-(2-ナフチル):96%)があった。
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Research Products
(6 results)