2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19750074
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
松田 学則 Tokyo University of Science, 理学部, 講師 (80359778)
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Keywords | シロール / ベンゾシロール / 金 / フラン / ベンゾフラン / ロジウム |
Research Abstract |
本年度は金触媒によるベンゾシロール骨格構築反応、ロジウム触媒によるベンゾフラン骨格構築反応を開発した。 1. Buchwald型ボスフィン配位子を持つカチオン性金触媒存在下、ジクロロメタン中室温下においてアリルジメチル(2-ペンチニルフェニル)シランを反応させたところ、分子内transアリルシリル化が進行し、3-アリル-1, 1-ジメチル-2-プロピルベンゾシロールを97%収率で与えた。アルキン末端置換基としてアルキル基、エステル基、アルキニル基、アリール基、ハロゲンが適用可能であり、対応するベンゾシロールを良好な収率で与えた。また、アリル基をメタリル基、クロチル基、シクロヘキセニル基などに変えても反応が進行した。同様の条件下、分子内transアリルゲルミル化によりベンゾゲルモール誘導体も得られた。 2. 2-フェニルエチニルフェノールを[RhCl(cod)]_2とrac-BINAPから調製した触媒存在下、トルエン中80℃で加熱したところ、分子内環化反応が進行し、2-フェニルベンゾフランが75%収率で得られた。10等量のアクリロニトリルの存在下、THF中80℃でこの反応を行うと、中間体のベンゾフラニルロジウム種の電子不足アルケンへの1, 4-付加が進行し、3-(2-フェニルベンゾフラン-3-イル)プロパンニトリルを75%収率で与えた。アクリロニトリルやメチルビニルケトンなどの電子不足アルケンも同様に反応し、対応する生成物を与えた。また、イソシアナートやホルムアルデヒドなどのカルボニル求電子剤も本反応に適用可能であった。分子内にあらかじめ求電子的な反応点を組み込んだ基質の反応では、連続的な酸素-炭素/炭素-炭素結合生成によって3環性、4環性のベンゾフラン誘導体が得られた。
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Research Products
(2 results)