2008 Fiscal Year Annual Research Report
炭素ーヘテロ元素結合のSN2反応を鍵としたバイオマスの精密分子変換
Project/Area Number |
19750077
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
畠山 琢次 Kyoto University, 化学研究所, 助教 (90432319)
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Keywords | 触媒・化学プロセス / バイオマス / 有機化学 / 芳香族アミン |
Research Abstract |
糖及びアミノ酸誘導体の直接的精密分子変換を目的とし, 高活性マグネシウムエナミドを用いた, 炭素-ヘテロ原子結合のSN2置換反応の開発に着手した. 2級のアルキルトシラートに対する求核置換反応が効率的に進行することが明らかとなった. 一方で, 2級のアルキルアミン誘導体を基質として用いた場合, 置換反応は進行しなかった. そこでアリールグリニャール試薬を用いた鉄触媒クロスカップリング反応を検討した結果, 炭素-窒素結合の切断に伴う炭素-炭素結合生成反応が進行することを見出した. また, 関連して, 炭素-窒素結合生成反応の開発を行ったところ, 量論量のTMEDA存在下, アリールグリニャール試薬がクロロアミンに対して求核置換反応を起こすことを見出した. これらの手法は, 天然に豊富に存在するアミノ酸やアルカロイド類の簡便な分子骨格変換と芳香族アミン類の簡便な合成にその有用性が期待できる.
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