2007 Fiscal Year Annual Research Report
メタロセン型パラジウムクラスター分子の創製および反応性
Project/Area Number |
19750078
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
村橋 哲郎 Osaka University, 大学院・工学研究科, 准教授 (40314380)
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Keywords | パラジウム / 金属クラスター / サンドイッチ化合物 / 金属シート / シクロファン / アレーン |
Research Abstract |
金属シートと炭素シートを、層状に積み重ねた「炭素-金属」積層構造は、グラファイト層間化合物などの重要な材料内に形成されると考えられている。しかし、既存の化学合成法を用いてこのような積層構造を分子内に構築することは困難であった。本研究者は、最近、金属シートが炭素シートに挟み込まれた構造を持つサンドイッチ化合物を初めて合成することに成功している(Science,2006, 313,1104)。本研究では、この新しく見いだした金属シートサンドイッチ化合物の基本的性質を解明しようとするものである。 すでに本研究者は、シクロヘプタトリエニルが三角形状パラジウムを挟み込んだ3核サンドイッチ錯体が安定な錯体として得られることを報告している。平成19年度では、シクロヘプタトリエニルに加えて、アレーンが三角形状パラジウムを挟み込んだ3核サンドイッチ錯体を与えることを明らかにした。[2.2]パラシクロファンを用いて2核サンドイッチ錯体を合成しておき、そこにPd(O)を加えることでビス[2.2]パラシクロファン3核パラジウム錯体が生成することを明らかにした。生成物はNMRおよび元素分析によって構造を推定している。また、片側のシクロファン配位子をシクロオクタテトラエンに置き換えた混合型サンドイッチ錯体を合成し、その構造をX線構造解析により決定した。
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