2008 Fiscal Year Annual Research Report
架橋型ヘテロ芳香族配位子を用いるベンゼン活性化触媒の創出
Project/Area Number |
19750082
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
園田 素啓 Osaka Prefecture University, 工学研究科, 講師 (90314400)
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Keywords | 有機合成化学 / 機能性金属錯体 / 遷移金属触媒反応 / トランス二座配位子 / カップリング反応 / フルオラス / 不活性結合活性化 |
Research Abstract |
本研究では、特異的な捕捉機能を有する配位子を設計することにより、ベンゼンのような不活性小分子の固定化と有機合成への利用が同時に行える機能性金属錯体の創出を目的とした。前年度に引き続いて、配位子としてピリジン環を有するリジッドなジエチニルベンゼン誘導体を合成して反応の検討を行った。既に、ベンゼンとアクリル酸メチルとの反応において少量のベンゼン活性化生成物を単離することに成功しているが、触媒の種類、温度、溶媒などについて種々、検討を加えたが、収率の向上には至らなかった。そこで、より固定化の効率を高める目的でフルオラスタグを有する配位子の合成に着手した。予備実験としてフルオラスビニルヨージドの合成と反応性について調査し、アルキン類とフルオラスヨージドとの光照射反応、続くアニオン条件下での反応によりフルオラスタグが容易に導入できることを見い出した。しかしながら、この手法による配位子へのタグ導入反応は進行しなかった。次に、相対的に配位力の弱いチオフェン環を有する誘導体を合成し、反応の検討を行った。これはリジッドなトランス配位構造により容易に予想される反応性の低下の軽減を狙い、としている。実際、一般的なパラジウム触媒反応に用いても上述のピリジン型配位子よりも反応性が高いことを確認した。また、興味あることに、これを配位子とする錯体は、安定な金属アセチリドを形成することが明らかとなり、効率よく薗頭反応が進行することを見い出した。これは特徴的なトランス配位型構造に起因したものと考えられる。そこで次に、この錯体を用いて、ベンゼン活性化反応について検討を行ったところ、ピリジン型配位子の場合と同様、少量の目的生成物の生成を確認した。
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Research Products
(6 results)