2007 Fiscal Year Annual Research Report
芳香族求核置換反応を利用するビアリールおよびトリアリール類の革新的合成法の開発
Project/Area Number |
19750083
|
Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
土本 晃久 Meiji University, 理工学部, 准教授 (80313716)
|
Keywords | アリール求電子剤 / アリール求核剤 / ビアリール / ビヘテロアリール / 金属トリフラート / インジウム / ビスマス / 芳香族求核置換反応 |
Research Abstract |
本研究では当初、任意の位置に脱離基を持つ芳香族あるいは芳香族複素環化合物[以下、芳香族(複素環)化合物と略記する]に対して芳香族(複素環)化合物を求核剤として直接反応させることで、基質一般性に優れた対称および非対称ビ(ヘテロ)アリールおよびトリ(ヘテロ)アリール類の新規合成法を確立することを目的とした。交付初年度である平成19年度では特に、反応条件(触媒・反応溶媒など)の確立とヘテロアリール求電子剤を用いる反応の開発に注力した。実際、触媒量のインジウムトリフラートの存在下で、2-メトキシチオフェン・2,5-ジメトキシチオフェン・2-ピリジルトリフラート・3-アセトキシインドール(脱離基は下線で示した)といったヘテロアリール求電子剤がインドールやピロールを母核とする求核剤と反応し、何れの場合も良好な収率で対応するビヘテロアリールを与えた。この反応は、電子求引基を持たないヘテロアリール求電子剤に対してヘテロアリールメタル求核剤を用いることなくビヘテロアリール合成を実現した初めての例である。ここでは、インジウムトリフラートなどの金属トリフラートを反応の活性化剤として利用しているが、何れの場合も触媒量の利用で反応が進行する特長がある。なお、脱離基を二つ持つ2,5-ジメトキシチオフェンの反応では、反応条件を適切に選択することで、ヘテロアリール求核剤との1置換体と2置換体を完全に作り分けることが出来る。
|