2008 Fiscal Year Annual Research Report
芳香族求核置換反応を利用するビアリールおよびトリアリール類の革新的合成法の開発
Project/Area Number |
19750083
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
土本 晃久 Meiji University, 理工学部, 准教授 (80313716)
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Keywords | アリール求電子剤 / アリール求核剤 / ビアリール / ビヘテロアリール / 金属トリフラート / インジウム / ビスマス / 芳香族求核置換反応 |
Research Abstract |
本研究では、研究開始時において、任意の位置に脱離基を持つ、求電子剤としての芳香族(複素環)化合物に対して芳香族(複素環)化合物を求核剤として直接反応させることで、基質一般性に優れた対称および非対称ビ(ヘテロ)アリールおよびトリ(ヘテロ)アリール類の新規合成法を確立することを目的とした。平成20年度は、前年度の平成19年度に定めた反応条件(触媒・反応溶媒など)を基に基質の適用範囲について詳細に調べた。望みの反応が進行しなかった基質の組み合わせも数多くあるが、触媒量のインジウムトリフラートの存在下で、2-メトキシチオフェン・2, 5-ジメトキシチオフェン・2-ピリジルトリフラート・3-アセトキシインドール(脱離基は下線で示した)といったヘテロアリール求電子剤がインドールやピロールを基本骨格とする求核剤と反応し、良好な収率で対応するビヘテロアリールを与えた。この反応は、電子求引基を持たないヘテロアリール求電子剤に対してヘテロアリールメタル求核剤を用いることなくビヘテロアリール合成を実現した初めての例である。ここでは、インジウムトリフラートなどの金属トリフラートを反応の活性化剤として利用しているが、何れの場合も触媒量の利用で反応が進行する特長がある。なお、脱離基を二つ持つ2, 5-ジメトキシチオフェンの反応では、反応条件を適切に選択することで、ヘテロアリール求核剤との単一置換体と二重置換体を完全に作り分けることが出来る。5, 5'-ジメトキシ-2, 2'-ビチオフェンと2-メチルインドールの反応では、対応する4量体が一挙に得られた。
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