2007 Fiscal Year Annual Research Report
新規カルベン配位子合成を鍵とする安定2価錯体からの高活性ニッケル0価触媒の創製
Project/Area Number |
19750084
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
松原 公紀 Fukuoka University, 理学部, 准教授 (00294984)
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Keywords | 触媒設計・反応 / ニッケル(0)錯体 / 高活性触媒 / 2,6-置換アニリン |
Research Abstract |
本研究では、汎用性が高く、安定で利用しやすいニッケル(0)ソース開発研究の一環として、新たなカルベン配位子の構築を通じて簡便なルートでの安定な新規ニッケル(0) 錯体合成および構造決定をし、安定性と共に、その触媒活性を評価する。初年度は、これまでに合成してきたニッケル2価錯体の触媒反応活性を調べるとともに、新たな0価錯体の前躯体となる2価錯体の設計と合成、またその還元による0価錯体の合成を試みた。一方で、新たな配位子となるイミダゾリウムカルベンの原料である新規アニリン類の合成についても検討した。まず、Ni(acac)_2錯体とカルベン配位子を混ぜた結果、新たにカルベンが1分子配位した2価錯体、Ni(acac)_2(NHC)(NHC:イミダゾリウムカルベン)を合成、その構造決定に成功した。この錯体は高い収率で単離でき、触媒反応の触媒前躯体として用いることが可能であるとともに、水素化ナトリウムや金属ナトリウムによる還元反応によって、不安定なニッケル0価前躯体を用いることなく容易に高い収率で安定な14電子0価錯体、Ni(NHC)_2を生成させることが可能であった。この0価錯体についても初めてその構造を明らかにした。一方、2,6-位にアミン類が置換したアニリンの合成を試みた。いくつかの合成ルートを検討した結果、ニトロベンゼン誘導体からの触媒的アミン置換反応を用いて、ピロリジン、モルホリン、アニリンを導入した新規アニリン類の合成・単離に成功した。現在それらを用いた配位子合成を検討中である。
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Research Products
(4 results)