2008 Fiscal Year Annual Research Report
植物由来フェニルプロパノイド類の水系での精密重合系の開発
Project/Area Number |
19750091
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
佐藤 浩太郎 Nagoya University, 大学院・工学研究科, 講師 (70377810)
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Keywords | 植物由来モノマー / 再生可能資源 / リビングカチオン重合 / リビングラジカル共重合 / アネトール / フェニルプロパノイド / β-メチルスチレン / RAFT重合 |
Research Abstract |
本研究では、植物中に豊富に存在するフェニルプロパノイド類に着目し、リビングカチオン重合やリビングラジカル共重合について検討を行い、新規機能性高分子材料への応用の可能性を探索することを目的とした。 (1) カチオン(共) 重合本年度は、まず植物由来フェニルプロパノイドとして、アネトール、イソオイゲノール、イソサフロールについて、種々の開始剤系を用いて、精密カチオン重合を検討した。とくに、R-Cl/SnCl_4/nBu_4NClからなる開始剤系を用い、塩化メチレン中、水酸基を持たないアネトールおよびイソサフロールのリビング重合を検討した。反応条件を適切に選択することで、アネトールの単独重合はリビング的に進行し、生成ポリマーの数平均分子量が開始剤1分子からポリマー1分子が生成すると仮定した計算値に一致し、分子量分布の比較的狭い、ポリマーが得られることを見出した。また、石油由来のメトキシスチレンとの共重合についても検討し、アネトールおよびイソサフロールいずれの場合もリビング共重合体が得られることを見出した。 (2) ラジカル共重合アネトールのアクリル酸メチルとのラジカル共重合とその制御の可能性についても検討を行った。とくに2官能フルオロアルコールを用いたときアネトールの消費率は最も大きく、アネトール導入率の高い共重合体が得られた。このとき、種々の仕込み濃度で共重合からモノマー反応性比を求めたところ、交互性の高い共重合が進行していることが示唆された。また、リビングラジカル重合であるRAFT重合と組み合わせることで、組成とともに分子量の制御も可能であることを見出した。
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Research Products
(7 results)