2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19750095
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
吉川 千晶 National Institute for Materials Science, 国際ナノアーキテクトニクス研究拠点, 独立研究者 (10447930)
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Keywords | リビングラジカル重合 / 濃厚ブラシ / バイオインターフェース |
Research Abstract |
本研究では、リビングラジカル重合法の分子設計における多様性と濃厚ブラシ表面に特有の非特異的相互作用の抑制および低摩擦特性を活用して、濃厚ブラシを利用した生体適合性表面の創製を目指す。本年度は研究実施計画のうち[1]親水性ポリマーの種類と生体適合性および[2]濃厚ブラシの非血栓性について検討した。 [1]親水性ポリマーの種類と生体適合性 化学組成の異なる濃厚ポリマーブラシ表面への生体適合性について検討するため、密度や鎖長の異なるpoly(2-hydroxyethyl methacrylate)(PHEMA)、poly(2-hydroxyethyl acrylate)(PHEA)、poly(poly(ethylene glycol)methyl ether methacrylate)(PPEGMA)ブラシ表面への細胞接着特性について調べた。ここではマウス由来L929繊維芽細胞を用いた。いずれのポリマーにおいても,濃厚ブラシ構造にすることで、化学組成や表面の新水性に依らず、準希薄ブラシに比べて細胞接着を飛躍的に抑制することが明らかになった。 [2]濃厚ブラシの非血栓性 まず、血管内皮細胞(HUVEC)の接着特性について検討した。密度の異なるPHEMAブラシ、重合開始基(BHE)固定化基板、シリコン基板へHUVECを播種した(5×10^5cells/well)ところ、濃厚ブラシ表面ではHUVECの接着がほとんど見られなかった。 次に、血小板の接着について検討した。ウサギ由来の血小板(2×10^6個/well)を濃厚ブラシ表面へ播種し、SEM観察を行った。その結果、濃厚ブラシ表面では血小板がほとんど活性化しないことがわかった。以上、HUVEC非接着特性および血小板低活性特性から、濃厚PKEMAブラシは優れた血液適合性表面になると期待される。
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Research Products
(14 results)