2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19750096
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
鈴木 登代子 Kobe University, 大学院・工学研究科, 助手 (40314504)
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Keywords | 高分子微粒子 / カルボキシル基 / 官能基分布 / 等温滴定型熱量計 / 乳化重合 |
Research Abstract |
高分子微粒子は近年微粒子形態のままでの機能性材料として注目を集めている。高分子微粒子はベースポリマーに各種官能基を有する成分を共重合し多成分化することで機能化が図られる。本研究者らは,等温滴定型熱量計(ITC)を用いて粒子表面および内部のカルボキシル基の定量と分布状態の推察を行った。これまでの検討では,粒子表面から内部にアルカリを浸透させ,存在するカルボキシル基との中和反応により生じた中和反応熱量からカルボキシル基を定量し,分布の推察を試みた。ITCによりその測定の可能性が示されたが,ガラス転移温度(Tg)がITC測定温度よりも低い高分子微粒子しか,その測定対象とならなかった。本研究では,高Tgを有する高分子微粒子について,重合時に経時的にサンプリングを行い,粒子表面の官能基量を測定することにより,それを累積し,粒子内分布の推察を試みた。試料はパワーフィードモノマー添加法を用いたシード重合法により作製したカルボキシル基の分布状態の異なる3種類の粒子を対象とした。それぞれ重合方法を反映した結果が得られ,さらに含有するカルボキシ基量により,アルカリの浸透力がとなることを定量的に明らかにできた。また,撹拌状態の異なるモノマー一括添加重合法で作製した2種類のカルボキシル化ポリスチレン粒子を対象としたバッチ重合系にも取り組んだ。この系では,重合中粒子内に多量のモノマーが残存することが問題となったが,分子鎖の配置をできるだけ変えずにモノマーを取り除く工夫を行った。次年度はこれらの対象粒子のITC測定を行い,さらに官能基分布の評価法として適用範囲の拡大とその確立を目指す。
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Research Products
(3 results)