2008 Fiscal Year Annual Research Report
傾斜ネットワークブラシによる水潤滑トライボ表面の創成と深さ構造解析
Project/Area Number |
19750098
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
小林 元康 Kyushu University, 先導物質化学研究所, 助教 (50323176)
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Keywords | 高分子化学 / 表面科学 / トライボロジー / ポリマーブラシ / 架橋 / 表面開始重合 / 原子移動ラジカル重合 / 薄膜 |
Research Abstract |
本研究の目的は材料表面を親水性ポリマーブラシにより改質し、摩擦特性の向上を図ることである。ポリマーブラシとは材料表面に高分子鎖が高密度にグラフトした膜厚数十〜数百nmの構造体のことで、潤滑媒体と馴染みやすい化学構造をポリマーブラシに付与することでその表面は低摩擦を生じることが知られている。本研究ではポリマーブラシ内部を部分的にまた、位置選択的に架橋させることで傾斜ネットワークポリマーブラシという新たな薄膜を調製し、その表面摩擦特性の解析を行った。以下にその結果をまとめた。 (1) ネットワークポリマーブラシ薄膜の調製 表面開始重合法によりメタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン(MPC)とメタクリル酸2-(ジメチルアミノ)エチル(DMAEMA)の共重合体ブラシを調製した。引き続きビス(ジヨードエトキシエタン)により架橋反応を行い、親水性ネットワークポリマーブラシ薄膜を得た。 (2) ポリマーブラシ薄膜の中性子反射率測定による水界面構造解析 ポリMPCブラシを重水中に浸した状態で中性子反射率測定を行い膨潤膜厚やブラシ内部構造を解析した。両性電解質のポリMPCブラシは重水中で延伸した構造をしており、その構造は塩濃度にもほとんど影響を受けないことを見いだした。 (3) 摩擦試験 直線摺動型摩擦試験機を用いて湿潤条件下で摩擦係数の経時変化を観察したところ、ブラシ薄膜にネットワーク構造を導入することで耐摩耗性が向上することが明らかとなった. また、傾斜構造によっても耐摩耗性が異なることを見出した。
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[Journal Article] Characterization of the Interface Structure of Hydrophilic and Hydrophobic Polymer Brushes by Neutron Beam and Synchrotron Radiation2008
Author(s)
H. Yamaguchi, Y. Terayama, K. Honda, M. Kobayashi, O. Sakata, M. Takata, S. Sasaki, N. Torikai, M. Hino, K. Ishihara, A. Takahara
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Journal Title
Trans. MRS-J 33(3)
Pages: 573-577
Peer Reviewed
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[Book] Polymer Tribology2009
Author(s)
M. Kobayashi, Z. Wang, Y. Matsuda, M. Kaido, A. Suzuki, A. Takahara
Total Pages
582-602
Publisher
Imperial College Press
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