2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19750103
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
桑原 俊介 Toho University, 理学部, 講師 (40359550)
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Keywords | 分子モーター / 分子機械 / DNA / 光異性化反応 / 熱異性化反応 / CDスペクトル |
Research Abstract |
ナノサイズの分子構造体に対して、人間の意図を伝え、機械的運動によって実用的なアウトプットを得る仕組み、すなわち分子機械の開発は、ナノテクノロジーの究極の目標であり、ナノ医療、ナノ機能性材料など幅広い分野への展開が期待されている。本研究では、分子機械「光動力キラル分子モーター」を用いて、DNAの特殊構造の認識、および構造変化の制御を行う。すなわち、分子モーターをDNAに結合させ、光照射による分子モーターの回転運動により、B型DNA、Z型DNAのらせん構造を自由に変換することを目的とした。 本年度は、前年度に合成した新規アミノ基置換分子モーターの光学分割と、CDスペクトルの比較による絶対配置の決定に成功した。次に、DNAに分子モーターを固定することを目指し、キラル分子モーターと2-amino-6-vinylpurineを組み込んだオリゴDNAとの連結反応を行った。その結果、片方のアミノ基と結合したトランス体、およびシス体分子モーター-DNAコンジュゲートをそれぞれ30%程度の収率で得ることに成功した。 さらにトランス体、シス体分子モーター-DNAコンジュゲートとその相補鎖により二本鎖を形成させ、融解温度(km)を測定した。その結果、トランス体に比べてシス体とのコンジュゲートの二本鎖の方がTmが13℃程度高いことがわかった。すなわちトランス体よりシス体の分子モーターの構造がDNAの二本鎖を安定化させるということがわかった。今後、トランス体、シス体分子モーター-DNAコンジュゲートの物性を詳細に検討し、分子モーターの回転によるDNAの構造変化の追跡を目指す予定である。
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Research Products
(3 results)