2008 Fiscal Year Annual Research Report
含硫黄オリゴフェノール類縁体の分子認識に基づく酵素モデルの構築と機能開発
Project/Area Number |
19750104
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
片桐 洋史 Yamagata University, 大学院・理工学研究科, 助教 (40447206)
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Keywords | 分子認識 / 芳香族オリゴマー / 構造制御 / 水素結合 / スルホキシド / フェノール / アニリン / 不斉触媒反応 |
Research Abstract |
オリゴマー類の合成 光学活性なスルフィニル体の簡便な光学分割法の開発を目的として,光学活性なビピリジン-N, N'-オキシド[(S)-NO]を合成し, キラルなオリゴマー3量体(rac-trimer)のジアステレオマー分別結晶法による光学分割を検討した。その結果, 1:1錯体(S)-NO・(S)-trimerが収率20%で得られた。ジアステレオマー間の溶解度に明確な違いが見られ, ^1H NMRにより決定したジアステレオマー過剰率は最高で30%deであった。続いて,(R)-trimerが過剰な母液をカラムクロマトグラフィーにより精製し, (R)-NOを用いて光学分割することで,(R)-trimerを最高70%deで得ることに成功した。 アニリン骨格を有するオリゴマー3量体の長鎖化を目的としてヨウ素化を検討した。その結果,ヨウ素化剤にジヨード-5, 5-ジメチルヒダントインを用いた場合において,反応の進行が確認された。 金属錯体の調製と不斉反応への展開 多点配位型キラル配位子を目的として, 光学活性な官能基を有するイミダゾールオリゴマーを合成し, パラジウム錯体の調製を行った。その結果,DMSO中, 酢酸パラジウムと反応させることにより, パラジウム錯体がほぼ定量的に得られることが明らかになった。また, 本錯体を用いて不斉鈴木カップリング反応を行った。その結果, 反応の進行は確認されなかった。この際, カウンターアニオンのヨウ素が反応の進行に影響を与えていることが, 比較対照実験から明らかになった。
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Research Products
(8 results)