2007 Fiscal Year Annual Research Report
濃厚高分子ブラシによる表面修飾基盤を用いた機能性無機/有機複合材料の創製
Project/Area Number |
19750106
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
西村 達也 The University of Tokyo, 大学院・工学系研究科, 助教 (00436528)
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Keywords | 無機 / 高分子複合体 / 高分子 / 濃厚高分子ブラシ / 炭酸カルシウム |
Research Abstract |
歯や骨・貝殻真珠層などのバイオミネラル(生体硬組織)は精緻な階層構造を有する機能性材料の最適なモデルである。バイオミネラルは、生体高分子の働きにより、常温・常圧で自己組織的に構築する。また、その構造に由来する機械的強度、光学的機能を有している。加藤らはこれまでに貝殻真珠層の形成過程に倣い、水に不溶な高分子マトリクスと酸性官能基をもつ水溶性高分子添加物の協同効果を利用して薄膜状の炭酸カルシウム結晶が自己組織的に形成することを見出している。本研究は、濃厚高分子ブラシを用いて、炭酸カルシウムと合成高分子との複合化を行った。作製した温度刺激応答高分子による高分子ブラシは、ポリアクリル酸存在下、炭酸カルシウムの結晶成長マトリクスとして働き、規則的なパターン構造を持つ薄膜状の複合体を与えた。さらに結晶成長温度に応じて高分子ブラシの性質が変化し、形成する結晶の多形を変化させた。分子量の大きな高分子ブラシはアモルファス炭酸カルシウムを安定化した。カルサイト転移を起こす際に、基板に対して垂直に配向する高分子主鎖にそって結晶c軸が垂直配向した。このように高分子ブラシの持つ特徴的な性質が結晶成長に大きく影響を及ぼした。また、巨視的な配向を目指し、液晶性高分子の配向性に着目した。液晶を経由して得た配向キチンマトリクスを用いて炭酸カルシウム結晶成長を行ったところ、有機・無機双方が配向した新しい材料の開発に成功した。
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Research Products
(3 results)