2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19750110
|
Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
生越 友樹 Kanazawa University, 自然科学研究科, 助教 (00447682)
|
Keywords | カーボンナノチューブ / シクロデキストリン / カリックスアレーン / ククルビツリル / ホストーゲスト包接錯体 / 超分子化学 / ナノ材料 / 環状化合物 |
Research Abstract |
本研究では、優れた導電性・光学特性を示すナノ構造体であるカーボンナノチューブを基盤とした超分子複合体の創成を行った。チューブ状物質であるカーボンナノチューブは、通常カーボンナノチューブ同士が相互作用により集合し、バンドル(束)構造を形成するため、溶媒へ溶けず、そのため溶媒への分散化が重要である。そこで、環状ホスト分子であるシクロデキストリンを用いてカーボンナノチューブの可溶化を行っだところ、シクロデキストリンのみ、もしくはゲスト分子のみでは、カーボンナノチューブを溶解させることができなかったが、シクロデキストリンーゲスト分子包接錯体を用いた場合、カーボンナノチューブを可溶化できることが分かった。また、ピレン基を導入したシクロデキストリン誘導体を利用することで、カーボンナノチューブの周りに空のシクロデキストリンを導入した超分子複合体を得ることに成功した。得られた複合体にゲスト分子を導入した高分子と混合すると、カーボンナノチューブを含んだヒドロゲルが得られた。さらに形成したゲルに、競争ゲスト分子やホスト分子を加えると、ゲルがゾルへと転移する新しいカーボンナノチューブヒドロゲルの合成に成功した。また、他の環状物として水溶性カリックスアレーンやククルビツリルを利用した場合、環が大きなものを用いると、カーボンナノチューブが溶媒へ分散できることが分かった。ククルビツリルを用いた場合は、欠損を有していないカーボンナノチューブのみを選択的に可溶化できることも見出した。
|
Research Products
(5 results)