2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19750110
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
生越 友樹 Kanazawa University, 物質化学系, 助教 (00447682)
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Keywords | カーボンナノチューブ / シクロデキストリン / カリックスアレーン / ククルビツリル / ホスト-ゲスト包接錯体 / 超分子化学 / ナノ材料 / 環状化合物 |
Research Abstract |
単層カーボンナノチューブ(SWNT)は、構造が明確なナノスケールの超微細管であり、すべてが炭素原子で構成されていることから、ユニークな幾何学的・電気的特性や、優れた機械的強度を示す新材料として注目を集めている。しかしながら、SWNTを取り扱う際の最大の問題点は、SWNT問で強固なバンドル構造を形成しているため、水にも有機溶媒にも溶けないことである。そのため、これまでSWNTの可溶化を目的とした研究が精力的に行われてきた。一方、環状ホスト分子であるシクロデキストリン(CD)は、その空洞に適したサイズのゲスト分子を選択的に取り込むことができ、かつナノサイズの分子であることから、超分子(分子間力により多数の分子から構成される巨大分子)を形成する構成単位としての応用が期待されている。 本研究では、ピレンに対して2個のCDを有するピレンCDダイマーを用いたSWNTの可溶化を行った。SWNTに吸着する部位であるピレン基は、立体的にかさ高いCDで挟まれているため、ピレンCDダイマーのCD問の距離に適した直径のSWNTのみを、選択的に可溶化できると予測される。ピレンCDダイマーを用いSWNTの可溶化を試みると、完全にスタッキングしたピレンCDダイマー会合体では、SWNTを分散化させることは出来なかった。一方で、ゲスト分子を添加することで形成するJ会合体を用いた場合な、高効率でSWNTを分散化させることができた。これらのことから、形成する超分子の構造が大きくその可溶化能に影響を与えることが明らかとなった。
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Research Products
(12 results)