2008 Fiscal Year Annual Research Report
配位結合-水素結合ハイブリッド型超分子カプセルの構築と動的ゲスト包接
Project/Area Number |
19750111
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
山中 正道 Shizuoka University, 理学部, 准教授 (10377715)
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Keywords | 超分子 / カプセル / 水素結合 / 配位結合 / 自己集合 / キャビタンド / 包接 / NMR |
Research Abstract |
水素結合と金属-配位子の配位結合を駆動力としてハイブリッド型超分子カプセルを構築し、形成される孤立したナノキャビティーへのゲスト分子の包接と、外部刺激に応答したゲスト分子の動的挙動の解析を目的として研究を行っている。昨年度、ハイブリッド型超分子カプセルの基盤分子となる非対称キャビタンドの合成とハイブリッド型超分子カプセルの形成に関する初期的な知見を得ていた。本年度は、水素結合と金属-配位子の配位結合を駆動力としてハイブリッド型超分子カプセルの詳細な構造決定と、ゲスト分子の包接挙動に関する研究に取り組んだ。ハイブリッド型超分子カプセルの構造は、各種NMRスペクトルの測定によって解析した。まず、キャビタンドと金属錯体の当量比に関する検討より、2:2の比率にて自己集合が進行していることを明らかとした。また、極性溶媒の添加実験により、カプセル状の集合体が配位結合だけでなく水素結合を含んでいることを確認した。また、二次元NMR、多核NMRの測定によりカプセルによって形成される孤立したナノキャビティーに関する知見を得ることができた。これらの検討結果よりハイブリッド型超分子カプセルが確かに形成していることを確認できたため、内部キャビティーへのゲスト分子の包接を検討した。種々の条件におけるゲスト分子の包接を検討した結果、適切なサイズのゲスト分子の選択に加え、添加剤としてアニオンを添加することによってゲスト分子包接が達成されることを見出した。
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