2008 Fiscal Year Annual Research Report
自己組織化に基づくπ系分子の配列制御と、有機固体発光のダイナミクス
Project/Area Number |
19750114
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
藤内 謙光 Osaka University, 大学院・工学研究科, 准教授 (30346184)
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Keywords | 発光物性 / 自己組織化 / π系分子 / 単結晶X線構造解析 / 有機塩 / 分子集合 / 発光変調材料 / 包接ホスト |
Research Abstract |
本研究では多環式芳香族などのπ系分子を分子化し、様々な分子集合に応じた発光物性の変化を解き明かす「自己組織化に基づくπ系分子の配列制御と、有機固体発光ダイナミクスの解明」を目指している。結晶状能において化学・物理情報によりその分子集合をプログラムに沿って変化させ、ダイナミックに発光挙動を変調する発光材料の創製と固相状態における発光挙動とその分子集合・分子配列の相関を明らかとし、固体状態における発光化学を体系づけることを目的としている。得られた物質について光物性、熱物性などの物理物性の観察を行い、計算化学的手法を用いて物理物性と構造の相関について検討する。以下に得られた結果について列挙する。 1) 新たに多環式芳香族スルホン酸分子を合成し、アミンと組み合わせること新規の有機塩を作成した。 2) 作成した有機塩を用い、これまで得られなかった包接結晶が形成された。これらの結晶の発光挙動を測定したところ、母骨格分子を凌ぐ発光量子効率を示すものが現れた。このことにより、π分子の超分子構造を制御することで優れた性質を引き出せるということが明らかとなった。 3) また、これらの包接結晶のゲスト分子は交換可能であり、ゲストに応じた発光挙動を示すことが明らかとなった。したがって、これらのことからスイッチング発光結晶の創製が可能である。 4) 最後に研究の総括を行った
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