2008 Fiscal Year Annual Research Report
グリーンケミストリーを指向したフルオラスおよび磁性触媒反応の開発研究
Project/Area Number |
19750128
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Research Institution | The Noguchi Institute |
Principal Investigator |
吉田 彰宏 The Noguchi Institute, 研究部, 研究員 (10292301)
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Keywords | フルオラス化学 / ルイス酸触媒 / 多相系反応 / スルホンイミド / 磁性触媒 / グリーンケミストリー / PFOS問題 / イオン液体 |
Research Abstract |
グリーンケミストリーを指向した環境調和型反応の開発が強く求められている昨今、触媒反応における触媒の回収・再利用する手法の開発は重要な課題の一つである。そうした方法の一つにフルオラス二相系反応がある。すなわち、フルオラス(多フッ素化されたアルカンやそれに準ずる)溶媒と有機溶媒の二相系に於いて、フルオラス基を有する触媒を用いて反応すれば、フルオラス相に触媒が"固定"されるために、フルオラス相ごと触媒を回収・再利用できる。この観点から、種々のフルオラススルホンイミドアニオンを配位子とするルイス酸の開発を行ってきた。今回は昨年度から引き続きPFOS/PFOA問題に取り組む意味でエーテル酸素を有する(C_10F_21O_3-SO_2)__2N配位子を調製して、その評価を行った。すでに炭素数4とか6の配位子を有する触媒ではフルオラス相に"ほぼ完全に"固定するのが難しいことを見出していたが、PFOS/PFOA問題を考えるとそれ以上炭素数の多いぺルフルオロアルキル基は使うことができないため、エーテル酸素(もしくは窒素などヘテロ原子)は必須である。その結果、(C_8F_17SO_2)2N配位子とほぼ同等の触媒活性を有し、さらにリーチング量がより小さくなることを見出した。リーチング量に関しては従来用いたこともある(C_10HF_20O_3-SO_2)_2N配位子よりはるかに少なく、フルオラス性が高いことを見出した。また、機能性フルオラス溶媒として、フルオラスイオン液体の調製を行ってみた。すなわち、カルオン部をブチルメチルイミダゾリウムに固定して、アニオン部をフルオラスカルボン酸、フルオラススルホン酸、フルオラススルホンイミドのアニオンとする種々のイオン液体を調製した。その結果、カルボン酸では概して水溶性で且つフルオラス性がフルオラス性が低いのに対し、スルホン酸イミドでは非水溶性で且つフルオラス性を有することを見出した。
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