2009 Fiscal Year Annual Research Report
グリーンケミストリーを指向したフルオラスおよび磁性触媒反応の開発研究
Project/Area Number |
19750128
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Research Institution | The Noguchi Institute |
Principal Investigator |
吉田 彰宏 The Noguchi Institute, 研究部, 研究員 (10292301)
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Keywords | フルオラス化学 / ルイス酸触媒 / 多相系反応 / スルホンイミド / 磁性触媒 / グリーンケミストリー / PFOS問題 / イオン液体 |
Research Abstract |
グリーンケミストリーを指向した環境調和型反応の開発が強く求められている昨今,触媒反応における触媒の回収・再利用する手法の開発は重要な課題の一つである。そうした方法の一つにフルオラス二相系反応がある。すなわち,フルオラズ(多フッ素化されたアルカンやそれに準ずる)溶媒と有機溶媒の二相系に於いて,フルオラス基を有する触媒を用いて反応すれば,フルオラス相に触媒が"固定"されるために,フルオラス相ごど触媒を回収・再利用できる。この観点から,種々のフルオラススルホンイミドアニオンを配位子とするルイス酸の開発を行ってきた。また,フルオラスケミストリーに於いて常に問題となってくる長鎖ペルフルオロアルキル基に関わるPFOS/PFOA問題であるが,これらは複数のェーテル酸素を有する触媒やフルオラス溶媒を用いることでクリアーできることを昨年度までに報告してきた。今年度はまず,昨年度終盤に取り組み始めたフルオラスイオン液体の調製とその環境調和型反応への応用を行った。すなわち,フルオラススルホンイミドアニオンを対ア三オンとするブチルメチルイミダゾリウムイオン液体に,対応するフルオラススルホンイミド(H型)を定させ,それを触媒溶液としてエステル化反応を行ったところ,反応は速やかに進行し,触媒溶液をそのままリサイクル可能であることを見出した。また,相間移動触媒として注目されているクラウンエーテルのフルオラス化についても検討した。すなわち,18-クラウン-6誘導体にアミド結合を介して複数のペルフルロアルキル基を導入した重々の化合物を設計・合成した。これらの化合物は期待通りフルオラス相に固定されることを見出した。現在カリウムカチオンの捕捉を伴う有機反応触媒への応用を検討中である。
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