2007 Fiscal Year Annual Research Report
環境関連電気化学デバイスのための錯体系電極酸化触媒の開発
Project/Area Number |
19750131
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
山崎 眞一 National Institute of Advanced Industrial Science and Technology, ユビキタスエネルギー研究部門, 研究員 (80371087)
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Keywords | 電極触媒 / 錯体化学 / C-C結合 |
Research Abstract |
電気化学的酸化プロセスは有害な酸化剤を使わないクリーンな酸化プロセスであり,環境・エネルギー分野において大きな関心を集めている。特にC2もしくはC3化合物の電気化学的酸化プロセスは有害物質のセンシング及び除去・電解合成・燃料電池などへの利用が国内外で精力的に研究されている。しかしながら,現状の触媒では十分な反応速度を得るためには高い過電圧が必要であり,このことはセンシングにおいては感度の低下・電解合成においては投入電力の増大・燃料電池においては出力の減少などの問題を招いている。 以上のことを鑑み,本研究ではC2もしくはC3化合物を低過電圧で酸化できる新規な錯体系電極触媒の開発を進めた。これらの化合物の電気化学的な酸化においては,C-C結合の切断がもっとも困難なプロセスである。そこで,本年度はまずC-C結合を電気化学的に酸化できる新規な錯体系触媒の開発を進めた。本年度中に大環状配位子を有するロジウム錯体からなる新たな低過電圧シュウ酸酸化電極触媒を発見した(特許出願2007-299954)。この触媒は従来のロジウムオクタエチルポルフィリン系触媒と比べて,酸化電流値が10倍ほど大きい。この触媒反応の生成物はCO_2であり,低過電圧で高速にC-C結合を切断できることがわかった。酸性電解質を用いる固体高分子形燃料電池でC2化合物を燃料として利用する場合,C-C結合を低い過電圧で切断することが重要である。この触媒はシュウ酸という特殊な化合物ではあるもののC-C結合を低過電圧で完全に切断できるという点で興味深いと考えている。
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Research Products
(1 results)