2007 Fiscal Year Annual Research Report
相互作用解析を目的とした機能性糖鎖ライブラリーの迅速構築法
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19750132
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
古川 潤一 Hokkaido University, 大学院・先端生命科学研究院, 特任助教 (30374193)
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Keywords | グライコミクス / ケミカルバイオロジー / 糖鎖認識分子 / 質量分析 |
Research Abstract |
本研究ではアミノオキシ基もしくはヒドラジド基による糖鎖選択的な反応をさらに発展させ、混合物中に存在する糖鎖を迅速かつ大量に精製する技術を確立し、さらにはシークエンシャルな糖鎖タグの付け替えにより目的に応じた糖鎖ライブラリーを調製する新たな手法の開発を目的としている。本年度は糖鎖捕捉ビーズを用いて糖鎖を迅速かつ選択的に精製する手法を開発する。特に糖鎖捕捉ビーズの官能基密度を高くすることで、分析レベルではなく分取レベルでの糖鎖精製を行う。実際に調製した糖鎖捕捉ポリマーは官能基が2μmo1/mgと現在市販されているヒドラジド担体と比較すると50〜100倍の官能基を有することが明らかとなり、これにより生体試料より1nmol程度の濃度での糖鎖精製に成功している。次に得られた糖鎖の分離法の確立を行った。糖鎖の分離法は数多く報告されているが、今回は糖鎖の分離に代表的な2AB標識糖鎖と構造が類似なアントラニロイルヒドラジンにより蛍光ラベル化された糖鎖(Ah化糖)のHPLCによる分離精製について検討し、順相系のアミノカラムにより、標識化された糖鎖を分離することが可能であり、これまでに報告されている分離パターンを保持できることが明らかとなった。また、得られる標識化合物はヒドラジド化合物であるため、さらにアミノオキシ含有試薬により効率的に標識交換を行うことが可能であった。この方法により、様々な生体試料やタンパク質より糖鎖ライブラリーを作成することに成功した。今後は光アフィニティプローブの開発を行い、HPLCにより得られたAh化糖鎖のタグ交換の最適化を進めるとともに、糖鎖ライブラリーより糖鎖相互作用解析を行っていく予定である。
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Research Products
(2 results)