2008 Fiscal Year Annual Research Report
ピレンエキシマー発光を利用した画期的なSNP検出チップの開発
Project/Area Number |
19750146
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
齋藤 義雄 Nihon University, 工学部, 講師 (40385985)
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Keywords | ビスピレン / SNPs / エキシマー / DNA |
Research Abstract |
本研究はビスピレン構造を有するユニットを核酸塩基に導入し、その向いに特定の塩基が来たときにのみエキシマーを形成し発光するようなプローブを合成することで、従来にない新規SNPs検出法を開発することを目的としている。平成19年度までに、化合物のデザインおよび第一のピレンユニットを含む新規ヌクレオシドモノマーの合成を完了し、オリゴヌクレオチド鎖への導入に成功していた。そこで平成20年度はポストDNA修飾の手法を用いて、オリゴヌクレオチド鎖への第二のピレンユニットの導入の検討を行った。これらのピレンユニットは、溶媒に対する溶解性が極めて悪かったが、種々条件検討を行った結果、DNA鎖への導入に成功した。HPLCにより単離・精製を行い、MALDI-TOFMSで目的物が得られていることを確認した。 続いて、得られたプローブDNAを用いて、DNA一塩基変異の識別能の評価を行った。フルマッチの標的DNA及び一塩基ミスマッチを含む標的DNAとハイブリダイズさせて蛍光スペクトルを測定した結果、フルマッチの配列のDNAの時に最も強い蛍光発光が見られ、一塩基識別能があることがわかった。しかしながら、当初の予測とは異なり、エキシマー発光が見られなかったことから、長波長での一塩基変異の検出には至っていない。今後は、モノマーユニットのリンカー部位の最適化を行い、フルマッチ配列のときにのみエキシマー発光が見られるようなプローブへと改良していきたいと考えている。
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