2009 Fiscal Year Annual Research Report
テトロドトキシン新規誘導体の合成と構造-活性相関の解明
Project/Area Number |
19750147
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Research Institution | Kanagawa University |
Principal Investigator |
赤井 昭二 Kanagawa University, 工学部, 助教 (00322537)
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Keywords | 有機化学 / 生理活性 / 合成化学 / テトロドトキシン |
Research Abstract |
テトロドトキシン(TTX)は、低分子ながら高度に官能基化され、かつ多くの不斉炭素を有する海産性天然毒の代表的化合物で、神経生理学研究において重要な道具の1つとして用いられている。本研究では、天然からは見出されていないテトロドトキシン誘導体である4-,8-および9-デオキシテトロドトキシンおよび、その誘導体と食物連鎖と生合成経路の追跡実験用の安定同位体標識体の合成により、これまで明らかとなっていない6,11位以外の官能基とNaイオンチャンネルとの結合活性から構造-活性相関を明らかにすることを目的に研究を進めてきた。 昨年度まで取り組んできた8-デオキシ体合成で4位のグアニジン接合部位となる炭素-炭素分枝鎖の構築は予想以上に困難であったため、平成21年度は、9-デオキシテトロドトキシンの合成を中心に、取り組んだ。しかしながら、9位水酸基への脱離基(トリフリル基)の導入は可能なものの、各種ヒドリド試薬によるデオキシ化は進行せず、スルホン酸エステルの加水分解が優先する結果となった。この原因を立体障害によるものと考え、9位部分の増炭反応後、直ぐにデオキシ化するルートで検討を行っている。合わせて、5-デオキシテトロドトキシンとテトロドトキシンの安定同位体標識化も並行して検討しており、後者においては安定同位体標識化を現在検討中である。 また検討過程で得られた成果として、選択的保護・脱保護可能な保護基に関する研究は、現在論文投稿準備中であり、化合物の単離・精製操作を簡便にするフルオラスケミストリーを利用した不斉アシル化触媒の合成でも、一定の成果が得られている(学会等未発表)。フルオラス不斉アシル化触媒用いれば、TTX新規誘導体合成にmyo-イノシトールを原料とする手法が有効であり、より短くすることが可能となるものと考え、別途検討を行っている。
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Research Products
(3 results)