2008 Fiscal Year Annual Research Report
タンパク超分子を用いた高輝度半導体ナノ粒子の開発・発光特性評価とデバイス応用
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19750162
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
三浦 篤志 Nara Institute of Science and Technology, 物質創成科学研究科, 研究員 (90379553)
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Keywords | フェリチン / 半導体ナノ粒子 / バイオミネラリゼーション / 発光材料 / 分光特性 / 光バイオナノプロセス / 走査プローブ顕微鏡 |
Research Abstract |
本研究では、サイズ分散の少ない新規無機物ナノ粒子合成手法として、内部に空孔を有する超分子タンパク質"フェリチン"をサイズの規制された反応場として用いることにより、高効率発光材料として利用可能なサイズのコントロールされた高輝度半導体超微粒子(硫化カドミウム, CdS)の開発を目指している。本年度はナノ粒子の光エッチングによる単結晶化による高輝度化, および, ナノ粒子を発光層とするデバイス構造作製・発光特性観察を行った. 前年度のCdSナノ粒子形成最適条件探索により見いだされた粒子作製条件を用いてCdSナノ粒子内包リステリアタンパクを作製し, キセノンランプ, 分光器とフィルターの組み合わせにより吸収ピークより高エネルギー領域での光照射を行い, 光エッチングによる粒径微細化, 単結晶化を試みた.しかしながら, 光照射による粒径変化, 吸収波長シフトは観測されなかった.おそらく励起光源強度が弱すぎ, 光エッチングが起こらなかったものと考えられる.現在, キセノンランプに替わりレーザーを光源に用いる事で, より高強度光の照射による光エッチング・粒径コントロールの可能性に関して検討を進めている. 本年度のもう一つの研究課題であるリステリアタンパク-CdSナノ粒子複合ナノコンポジットの発光デバイスへの応用検討として, リステリア-CdSナノ粒子薄膜を発光層とする積層デバイス構造を作製し, 電荷注入によるCdSナノ粒子電荷注入型発光デバイスの作製を行った.低抵抗率のn型Si基板を電荷輸送層に, ポリメタクリル酸メチル薄膜をホール輸送層とする積層構造を作製し, プローブ探針を電極とし電荷注入による発光測定を行ったところ, 発光層のCdSナノ粒子からと考えられる発光が観測された.また, CdSナノ粒子に比べ作製・取り扱いが簡単なコバルト酸化物ナノ粒子内包フェリチンを用いる事で, ナノ粒子への電荷注入メカニズムに関する検討も併せて行い, 電圧印加によるバイオナノ粒子への電荷注入が起きている事を実験的に確認した.
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