2007 Fiscal Year Annual Research Report
ラダー状炭化水素系共役分子の開発と有機デバイスへの応用
Project/Area Number |
19750163
|
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
宮碕 栄吾 Hiroshima University, 大学院・工学研究科, 助教 (00432683)
|
Keywords | 炭化水素分子 |
Research Abstract |
本年度は、ナフタレンを基盤とするラダー状炭化永素分子の合成検討を行った。具体的には、アルキル基としてメチル基を導入したラダー分子の合成を以下に示す合成ルートにより行った。 1)ボロン酸を導入したナフタレン誘導体と、ハロゲン原子(臭素、ヨウ素原子)を導入したジメチルナフタレン誘導体を用いたクロスカップリング反応によるオリゴナフタレンの合成 2)続くルイス酸と酸化剤を用いた酸化、脱水素化反応によるラダー状炭化水素分子の合成 3)長鎖アルキル基を持つナフタレンの合成 1)について種々の条件検討を行った結果、中程度の収率ながら目的化合物が得られることが分かった。引き続き2)の合成反応について様々な試薬を用いて検討した結果、ラダー状炭化水素分子としてナフタレン三量体ラダー分子の合成に成功した。また、3)に関して、より大きなラダー状炭化水素を合成するために必要な長鎖アルキル基のナフタレンへの導入反応については、ナフタレン誘導体への長鎖アセチレンの導入・水素化反応を経ることにより大量に合成するルートを確立した。 本年度で目的とするラダー状炭化水素分子は得られたものの、最後の酸化・脱水素化反応の収率が低く、長いラダー状炭化水素を合成する上で問題となるため、次年度はその収率向上のための更なる反応条件の検討を行う。さらに、その結果を利用してアントラセンを基盤とするラダー状炭化水素分子の合成も検討する。また、合成したラダー分子を用いて有機電子デバイスを作成し、有機電子材料として可能性を調査する。
|