2007 Fiscal Year Annual Research Report
フォトクロミック単結晶を用いた光駆動アクチュエーターへの応用
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19750167
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Research Institution | Niihama National College of Technology |
Principal Investigator |
高見 静香 Niihama National College of Technology, 環境材料工学科, 助教 (70398098)
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Keywords | フォトクロミズム / 単結晶 / アクチュエータ |
Research Abstract |
これまでに、アゾベンゼン誘導体を含む高分子フィルムの光照射による屈曲および伸張変化が報告されている。しかし、その光応答時間は数秒程度と遅く、形状変化が安定に保てないという不具合がある。また、最近になり結晶で光照射により可逆に形状が変化する化合物がいくつか報告例されている。私たちは、いくつかのジアリールエテン誘導体の数10から100マイクロメートルほどの微結晶が、紫外光を照射すると結晶の形状が変化し、可視光を照射すると元の形状に戻る現象を見出した。この繰り返しは20回以上可能であった。また、同条件下で棒状の結晶が得られ、紫外光を照射すると屈曲する形状変化を示し光応答速度は約25マイクロ秒と高分子の光応答速度と比較すると速いことがわかった。これらの形状変化の機構を解明するため、単結晶X線構造解析より分子配列を確認した。結果、形状変化が起こる方向に対して分子が規則正しく配列していることが確認できた。光エネルギーを機械エネルギーへと変換するこれらジアリールエテン結晶は、光駆動アクチュエーター素子となりえる。今後の検討には目的とする大きさ、長さ、厚みをもつ微結晶の作製が必要となる。しかし、作製する微結晶の大きさには統一性が見られないのが問題点である。現時点では、単結晶をすりつぶし粉状にしたものから、徐々に温度を昇温させある程度形状の整った微結晶を得ている。今後は昇温速度および温度・基板などの条件を再検討する。
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