2009 Fiscal Year Annual Research Report
フォトクロミック単結晶を用いた光駆動アクチュエーターへの応用
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19750167
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Research Institution | Niihama National College of Technology |
Principal Investigator |
高見 静香 Niihama National College of Technology, 環境材料工学科, 助教 (70398098)
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Keywords | フォトクロミズム / 単結晶 / アクチュエーター |
Research Abstract |
これまでに、ジアリールエテンの微結晶に紫外光および可視光を照射すると可逆な光形状変化が報告されている。本研究では、これらの形状変化を示すフォトクロミック結晶を光駆動アクチュエータへと応用することを目的とした。本年度は、これら微結晶の光誘起形状変化が分子の異性化による構造変化が集積されたものであるかどうか検討を行った。そこで、結晶中での分子構造、パッキング様式が類似しているジアリールエテン3種について微結晶の形状変化を検討した。それぞれの微結晶は昇華法により作製し、形状は正方形や平行四辺形であった。3種の微結晶に紫外、可視光の照射を行うと可逆な角度変化が認められた。細かい値においては違いが見られたが、その形態は3種とも同一であった。また、これら光形状変化は、光閉環反応の初期(閉環体の生成数が少ない状態)には変形が起らず、誘導期間を経て変形が起こることを明らかにした。さらに、微結晶について高輝度X線構造解析を行い、微結晶とバルク結晶が結晶学的に同一であることを明らかとした。この結果および、融点測定の結果、バルク結晶の面指数および吸収異方性から微結晶の向きと結晶内での分子配列を決定した。以上のことから、結晶内での分子配列と光異性化による一分子の幾何構造変化より薄膜結晶の形状変化が説明できることが明らかとなった。同様の分子パッキングを持つ結晶は、同様の光形状変化を誘起することを示した。
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