2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19750169
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
下嶋 敦 The University of Tokyo, 大学院・工学系研究科, 准教授 (90424803)
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Keywords | メソ多孔体 / 自己組織化 / 有機シラン |
Research Abstract |
H20年度は, アミノ酸あるいはペプチドとアルコキシシランがSi-C結合により連結された新しい構造単位を合成し, 界面活性剤を構造制御剤として用いたハイブリッドメソポーラス材料の合成について検討した。グリシン(Gly)、アラニン(Ala)、フェニルアラニン(Phe))、ジグリシン(Gly_2)のエチルエステルとイソシアネートプロピルトリエトキシシラン(OCN(CH_2)_3Si(OEt)_3)の反応により、アミノ(NH_2)基末端に尿素結合を介してトリエトキシシリル(TES)基が1つ結合した分子(TES-Gly, Ala, Phe, Gly_2)を合成した。さらに、Gly, Gly_2については、-COOEt基とアミノプロピルトリエトキシシランとの反応により、両末端にTES基が結合した分子(TES-Gly(or Gly_2)-TES)を合成した。これらの分子は尿素結合やアミド結合を持つために分子間水素結合が可能であり、これらを構造単位としてメソ多孔体を合成した場合、骨格に何らかの規則性が付与できると期待される。これらの分子をテトラエトキシシラン(TEOS)と混合して、界面活性剤の存在下、ハイブリッドメソ多孔体の合成を行った。界面活性剤としてはセチルメチルトリメチルアンモニウムブロミド(CTAB), またはトリブロックコポリマー(EO_<20>PO_<70>EO_<20> : P123)を用いた。TES-Gly, TES-Alaを添加した場合、TEOS単独系と同様の二次元ヘキサゴナル構造のメソ多孔体を得ることに成功した。TES-アミノ酸の添加量は、全Siに対して15%程度まで高めることが可能であったが、それ以上に増加させると、メソ構造の規則性が低下した。XRDパターンにおいて細孔壁の構造規則性による回折ピークは確認されなかったが、得られた多孔体の細孔表面には、アミノ酸が均一に固定化されていると予想され、生体分子の吸着剤などとしての展開が期待される。
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Research Products
(3 results)