2008 Fiscal Year Annual Research Report
新規スルホン酸化ポリイミド電解質膜を用いた直接メタノール形燃料電池
Project/Area Number |
19750170
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
樋口 栄次 Osaka Prefecture University, 工学研究科, 助教 (80402022)
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Keywords | 直接形メタノール燃料電池 / スルホン酸化ポリイミド / 電解質膜内の水の分布 / メタノールクロスオーバー / Nafion膜 / マルチレイヤー膜 / 直接形工タノール燃料電池 |
Research Abstract |
本課題ではメタノール透過量を減らし、電池性能を向上させることを目的として、新規スルホン酸化ポリイミド電解質(c-SPI)および比較対照としてのNafionをDMFC用の電解質膜として用い、その性能を詳細に評価する。具体的には、セル電圧やメタノール透過量、測定することによりメタノール透過量の抑制についての指針を得る。また、メタノール透過を抑制可能なマルチレイヤー膜を用いたDMFCを提案する。 バリアー層を有する膜のメタノールクロスオーバー量は、電流密度0.1A/cm^2で、Nafion膜を用いた時よりも約70%減少し、c-SPI膜よりも約40%減少した。オーム抵抗は、c-SPIよりわずかに小さくなった。また、端子電圧は、0.2A/cm^2まではメタノールバリアー層を用いた方が高くなった。従って、架橋したc-SPI膜においてバリアー層を設けることにより、メタノールのクロスオーバーを効果的に抑制することに成功した。電流密度0.1A/cm^2において、端子電圧を比較すると、オーム抵抗が小さい分だけ50μmのNafionを用いた場合が最も高くなったが、燃料利用効率が非常に低いため、エネルギー変換効率としては低くなり、結果的に燃料をたくさん消費してしまう。この点から約180μmの膜厚で比較すると、c-SPIでは、燃料利用効率が約79%と高く保つことができ、その結果、エネルギー変換効率が向上した。さらに、バリアー層を用いることによって、85%を超えるような燃料利用効率になり、端子電圧はそれほど低下しないため、結果的には30%のエネルギー変換効率になり、非常に高く保つことができた。 また、予定よりも早く研究が進んでいるため、上記の実験が終わった後に、直接形アルコール燃料電池用の高性能電極触媒の開発を行った結果、コロイド法を改良した手法を用いることによりPt修飾SnO_2触媒(Pt/SnO_2)の調製に成功し、この触媒がアルコール酸化に対して高い触媒活性を持っていることがわかった。
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