2009 Fiscal Year Annual Research Report
セラミックスナノチューブの合成・組織化と応用技術の開発
Project/Area Number |
19750172
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
矢田 光徳 Saga University, 理工学部, 准教授 (20274772)
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Keywords | ナノチューブ / 生体材料 / チタン酸ナトリウム / チタン酸銀 / 水熱合成 / 抗菌 |
Research Abstract |
生体材料として用いられるアルミナやCo-Cr合金などの基材上への種々のナノ構造(ナノシート、ナノファイバー、ナノチューブ等)を有するチタン酸ナトリウム薄膜の形成方法を確立した。さらに、薄膜の疑似体液中でのアパタイト形成能を調べ、同様なナノ構造の薄膜であっても基材の違いによりアパタイト形成能が大きく異なることを明らかにした。 高い抗菌能を示す銀ナノ粒子/チタン酸銀ナノチューブ複合体薄膜が示した高いアパタイト形成能の理由について調べた。銀がアパタイト形成能を示さないことや、XPS測定においてチタン酸ナトリウムや酸化チタンのナノチューブ薄膜と比較して銀ナノ粒子/チタン酸銀ナノチコーブ複合体薄膜が同程度の水酸基量を示したことから、高いアパタイト形成能はチタン酸銀の結晶構造に起因することが示唆された。 チタン酸ナトリウムナノチューブ薄膜よりも高い抗菌能を示したチタン酸ナトリウムナノファイバー薄膜について詳細に調べた。暗所下での薄膜に対する銀イオン含有水溶液処理によって薄膜が還元能を示すことを明らかにし、また、MPECを発光試薬としたルミノメーターを用いた測定により薄膜が活性酸素を有していることも明らかにし、薄膜が有する還元能もしくは活性酸素が高い抗菌性に寄与していることが示唆された。 昨年度までに合成に成功していた複合酸化物のナノチューブとナノワイヤーとナノロッドについて、SQUIDを用いた温度-磁化率測定を行い、ナノ構造及び結晶構造の違いにより、低温部において温度に対する磁化率の挙動が大きく異なることを見出した。
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