2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19750177
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
古澤 宏幸 Tokyo Institute of Technology, 大学院・生命理工学研究科, 助教 (60345395)
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Keywords | 水晶発振子 / エネルギー散逸 / 生体関連高分子 / 結合水 / 固液界面 |
Research Abstract |
水晶発振子は基板上の分子を直接振動させることのできるデバイスであり、揺らしてみることで質量だけでなく物質の固さ・柔らかさ(粘弾性)などの力学的物性情報を得ることができる新たなツールになると期待できる。本研究では、水晶発振子基板上に合成高分子や生体高分子材料を固定化した基板を作製し溶媒と接触させることで様々な固液界面を作り出し、その中を振動伝播させることによって界面ごく近傍薄層空間内の固定化材料および溶媒の力学的物性に関する知見を得ることを目的とした。 本年度は、水晶発振子の振動現象を高精度に解析することのできる装置の開発を行った。水和量と振動エネルギー散逸値を求めるために、ネットワーク・アナライザーを用いて水晶発振子に対し交流電場の周波数掃引を行いコンダクタンスの周波数応答より得られる共振曲線を解析して、共振周波数(F_s値)とその値に対する共振曲線の半値幅の比として与えられる振動エネルギー散逸値(D値;Dissipation Factor)を算出する手法を確立した。基板上へ物質を固定化する前後での水中および気相中での各数値の差分(ΔF_water、ΔD_water、ΔF_air、ΔD_air)から、単位質量当たりの水和量((-ΔF_water)/(-ΔF_air)-1)、単位質量当たりのエネルギー散逸値(ΔD_water/(-ΔF_air))を求め、そのキャリブレーションを行った。高精度化のために、恒温槽の温度制御を±0.1℃から±0.001℃へ高精度化、ネットワーク・アナライザーの周波数掃引速度の向上、共振曲線解析におけるプログラムの改良を検討した。また、これまでの水晶発振子装置を転用した容量500μLのセルを用いたバッチ式の利用とともに、連続的かつ経時的に測定可能なフロー式セルを作製した。
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Research Products
(4 results)