2008 Fiscal Year Annual Research Report
高分子フィルムの逐次二軸変形過程における分子配向挙動の解明
Project/Area Number |
19750179
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
河村 幸伸 Kanazawa University, 自然システム学系, 助教 (20377401)
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Keywords | 逐次二軸延伸 / 複屈折 / 配向評価 / 応力-ひずみ挙動 / ポリオレフィン |
Research Abstract |
実際のポリプロピレンの成形温度である180℃付近まで試験温度を上げるための恒温槽を自作しようとしたが、温度むらが大きく(±10℃)、また、ロードセルへの伝熱の問題が解決できず、断念した。融点近傍での温度制御を行うため、少なくとも±3℃以内の温度むらに抑える必要があり、この技術に関しては今後も検討する予定である。 恒温槽の設置は断念せざるを得なかったため、室温でも融点近傍におけるポリプロピレンの挙動に似た挙動をする低立体規則性ポリプロピレンを試料として用いることにした。この試料は、ポリプロピレンの微結晶が架橋点の役割を果たす熱可塑性エラストマーである。この微結晶による架橋構造は融点近傍の高立体規則性ポリプロピレンにも見られる構造であり、擬似的に熱延伸行程の再現ができる。 この低立体規則性ポリプロピレンを用い、一軸延伸過程、同時二軸延伸過程、幅拘束一軸延伸過程、逐次二軸延伸過程め4過程における配向挙動を応力ひずみ測定と同時にその場で複屈折測定を行うことで評価した。同時二軸延伸過程においては複屈折はほぼ0の値で推移し、配向が両軸方向に均等に起こっていることが分かった。一方、幅拘束一軸延伸では通常の一軸延伸行程ほどは延伸方向への配向が進まなかった。幅拘束延伸後、さらに拘束軸方向に延伸軸と等倍になるまで延伸したところ、再び複屈折率は0となり、最終的な配向は両軸方向に均等になることを示した。
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Research Products
(1 results)